Alt_Mediumでは3月26日(Sun)17:30から「Medium / in the air」を開催いたします。

 

18時からは荻野亮一によるユニット「記憶の劇場」によるリサーチプロジェクトとして実行されるリーディング劇「最後の椅子」の<上演>が行われます(出演者:佐藤あおい/曽根千智/荻野亮一)。また20時からは加藤雅也による即興演奏と菊地敦子によるパフォーマンスが行われます。当日、会場の壁面には篠田優による写真作品などを展示いたします。

 

オルタナティブスペースという空間での視覚と聴覚を通じたささやかな実験になればと思っております。

みなさま、是非ともご参加ください。

 

<「記憶の劇場」について>

 

最小限の演者と装置によっておこなわれる演劇のセッションと観客を交えたディスカッションのセッションを併せて、ひとつの「上演」として提示する荻野亮一によるリサーチプロジェクトです。

 

「記憶の劇場」は、社会における個人の過去/現在/未来にわたる「記憶」をキーワードに、21世紀の今日において、あえて愚直な「社会派」であることを標榜するユニットです。私たちはさまざまな社会的モチーフにまつわる「記憶」の<Representation>に立ち会い、対話を試みることでモチーフの内部に引き入れられます。

 

このプロジェクトでは、当事者/非当事者、俳優/観客、主体/客体の境界を溶解させ、新しい協働と思考のためのプラットホームを提供し、これまでの社会批評や社会学のあり方の更新も目指します。

 

 

<「最後の椅子」について>

「……ひとりのようで、ふたりのようで

 娘のようで、老婆のようで

 むかしは、ひとの親までこなした、

 そんな気丈な女のようで

 もどることができるだろうか

 何から、はぐれてきたんだろう……」

(「最後の椅子」齋藤恵美子、思潮社)

 

今回の作品「最後の椅子」では、特別養護老人ホームの日常風景を皮切りに物語(あるいは記憶の断片)は進行します。作品で描いたことは決して特別なことではない。日本のあちらこちらで起こっているできごとです。それを分かち合い、考えるために、今回の作品を書き下ろしました(荻野)

 

[荻野亮一]

 大阪大学大学院文学研究科博士前期課程修了。

 2017年4月より慶應義塾大学社会学研究科博士後期課程在籍。

 社会学/芸術学/教育学。「生きづらさ」に対する表現の

 可能性について研究をしています。